ちょっとずつ、あの一番酷かった夜を思い出している。あの、突然ベッドの下にもう一人の自分を発見した幻想。あれはあの瞬間はただひたすらに恐怖だったけど、その恐怖は今考えれば自分が自分でない事を認識した恐怖だ。自分が壊れた事を確認した恐怖だ。
幻想を見た原因は分からない。当時のあらゆる事が遠因に見えるし、あるいは何の脈絡もない冗談みたいな精神の働きによるものだったかもしれない。
何でこういう事を書いているんだろう?