EMBRYO c/w雫(摩天楼オペラ) 先行発売に寄せて

湯葉です。随分間が空いちゃいましたが突然はてなダイアリーを更新してゆくぞッ。
摩天楼オペラに出会っておおよそ25ヶ月、ライブに行き始めてからは1年半ちょいが経過しました。突然ヴィジュアル系に狂い始めた(と傍からは見えてると思います)人間として認知されつつある危惧があり、私にとって摩天楼オペラは何なのかを書いておこうと思いまして。
あとこれ書いときゃ「へえそういうトコあるんだじゃあ聴いてみよ」ってなるかもしれんなという期待もあります。こわくないよ。若干雑引用多いですが「そういう括りからも入門できます」と信じて書いています。ピンと来ていただけたら幸甚。

リンク(12.30、1.1追記)

配信サイト一覧リンクを置いておきます。直近のシングル2枚とEP1枚。全部オススメかつすぐ聴けるので流しながら読んでいただけると喜悦至極。

https://nex-tone.link/A00207503 29日発売うまれたてピチピチのエンブリオだよ
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https://www.youtube.com/watch?v=v4rjpCM_Aso エンブリオMV出たよ まさかこんな 思い切り過ぎだろ いいんだけど いいよ やりやがった 最高
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https://nex-tone.link/A00198395 暑い日にお産まれのアゴニィ=サンだよ
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https://nex-tone.link/A00132281 EVILだよ おれの狂いの源泉だよ
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そもそもの始まりは

去年のうんと寒い季節……いや一昨年だな。ホヨワー草薙にぼし氏がいつもの如く推しを推してるトコを見てて「ん?」ってなったのが「舌」。2023年末発売のEP「EVIL」の先行MVです。
何でコレが気になったのか今振り返るとちょっと分からない。単純に馬鹿みてえにプレイが凄かったからなのかもしんない。この頃は楽隊ばっか気になって苑の事まだ「好みじゃない気がするけどなんか気になるな」くらいでした。おそろしいですね。今じゃこんなに。
ほんでそうこうしてるうちにEVILリードトラックのEVILの音源も開放されてこれにまーーーハマった。だいすきなやつだった。毎日めっちゃ聴いてこりゃアルバム一枚まるっと聴いてみらんと始末に負えんなと決意の購入。完全に運の尽きでした。
https://www.youtube.com/watch?v=DHTIOvBBSNE EVILのEVILだよ
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Sは麻薬だと思う

表題作EVILもそうだったんですけど収録曲のSがもう本当に内向の塊で。曖昧な言葉を嫌って嘘のない世界が美しく輝いて差し出された手を払いながら人を求めふるえていたんですよ。これが馬鹿みてえな(※「ばかみてえ」はおそらく重要な要素なので2回言いました)疾走感と永遠に地を鳴らし続けるバスドラに搭載されて脳髄を直撃してわたしは死にました。ザンヤルマの剣士がバイブルでGOD SAVE THEすげこまくん!を折に触れ読み返しレイクライシスとカラス一生聴いてて大熱波でバロックを患った(わたくしという人間がこうやってここに列席させるような代物とご理解ください)ような人間がこの世界観に耐えられるわけがないんだ。
コロッといっちゃいました。
コローッと。
Sはいまだに一生聴いてる。摩天楼オペラ全部触ってあれから新曲もいっぱい出てるけどやっぱりなにかとSに戻ってくる。そういう曲。
とりあえずSだけでも聴いてみるといいです。
https://www.youtube.com/watch?v=evkRHx4Vyfc 這いつくばり耐え忍ぶ葛藤を誰にもなれず怯える沈黙をこうべを垂れて震える少年をもう見たくはない 曝け出せ
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Sはおれが響(摩天楼オペラ)にハマったきっかけの曲でもあるので響バージョンも置いとくね。このドラム馬鹿本当にドラムが凄いのよ。
https://www.youtube.com/shorts/ycBlcuZcsEE 何なんでしょうこのドラミング
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ライブに赴き……旧曲に触れる……

そうこうしてるうちにボーイズギグ(いわゆる野郎ライブな)開催の報が飛び込んできて「バンギャのひとがいない現場なら怖くないのでは!?」と血迷い、渋谷GUILTYで洗礼を浴びます。いやあアレは洗礼だった。でもやっぱ「摩天狼は普通じゃないよね」って意見も多くじゃー普通のライブも行ったるわいと柏や代官山へ。良かったあアレ。柏のセトリは今も結構ヘビロテしてる。
まあそーゆー行脚をしてると「これ旧曲ちゃんと履修しないと人生損だな」ってなるなった。最近はデジタル在庫が豊富で手軽ですね。
出会いが出会いだったので「アッ本筋はこーゆー感じのバンドなんだ!」とはなったけどそれでも聴くとみんな好きになる。この頃にはすっかり摩天楼オペラを聴く回路が耳に出来上がってるんでしょうな。そんな中でも「あっこの頃からこんな路線を」って曲達はあり、Human Dignity全般がバイブル化したり落とし穴の中はこんな世界のリマスター盤を待ち望むカラダになったりしています。あとAnemone。Anemoneいいです。Chronos自体はずっと二人の世界を描いてるEPでこれはこれで存外好きなんだけどAnemoneは二人が最終的に一人になってこれ内世界の旅路じゃねーか!ってなる。ならない?俺はなったぜ。というか二人の世界ってのがそもそも空回りでほんとはずっと一人だったねやーいやーいって話かもしんない。台無しにすな。してねえ!俺は褒めてる!
https://www.youtube.com/watch?v=qVfYsFKQvn8 どこまでも どこまでも
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あとSacrifice(Human Dignity収録)はSのおとーさんだと思ってます。こっち方向の曲はそれなりにあるけどここがたぶん「直系」。
https://www.youtube.com/watch?v=OFzCETvXL0k 魂を砂に変えるんじゃねえ 俺は救済にならない
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六花も怖い、出す新曲全部怖い何なのこのバンド

六花(ムツノハナと読みます)(北国厨二ですね)が出たのが昨年末。……昨年末?マジ?もう1年経ったの?うそでしょ信じ欄内。
まあともかく出たんだ。出たものはしょうがない。聴いて、ブッ飛んで、ブッ飛んだ結果レコ発ツアー六花-snowflake-は関東全通しました。これ絶対美味しいって確信あったから初手で行けるライブ全部取ったんだけど全部取れてる通知来た時は正気に返りました。まあライブ通ってたら正気飛んで満足かって?イイヤマダマダになったので静岡まで追加で取って遠征した。
アルバム発売当初、確か聴き始めて3日目くらいだと思うんだけどリードトラックBLOODから続く4曲くらいが全部ニンジャの曲に聞こえ始めた事を覚えておいでのフォロワーもいらっしゃるかもしれません。
似合うんですよ。ニンジャが。なんか。それもサルベイションとかニスイとかの「ボンドアンドモーゼスのソフトアンドウェットな方」。イメソン的にはボリスアズールランペイジ=サンフジオカタクラが連想されてたわけですけど。
ゴリラ氏の言うてた「暴力が全てを解決する」をものすごく美しく歌い上げるとこうなるという側面がたしかにあります。
死を嘘のない真実として至上あるいは原点に置くところから宇宙を創造しているのが近年の摩天楼オペラだとわたしは捉えています。あるいはそのように囚われています。
そのへんの美学が炸裂しているのが六花イントロ4曲。決断的。すき。
そこからつづく5曲目がまず死に対する女々しさを案外ネアカに歌い上げたりしてグルーヴがドライヴし始めるのもすごいし後半曲も好きだしシングル曲闇はむ(闇を喰む)やインセサントスノウも超超超重要曲なんだけど「骨子」としてはやはりルースレスに焦点を当てたい。ここがこのアルバムの背骨。そういうファンです。わたしは。てゆーかルースレスってSのアンサーソングだよね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZD3SQG0IYr8 這いつくばるほどの理由が目の前に見当たらない 息をしろよ!
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そして今年の新曲達へ……

AGONYは「完全に新機軸!」ってのが強くて霞みがちですけど本質は「いきるのしんどい」の一言です。貴方がどうとか出会うとか別れるとか一切ございません。どうして僕はばっかり。
はい。
好きですね。
これにアナザクリスマスという「お前を殺す」を色気たっぷり(この場合の色気は……分かるね?)に添えてバランスもよい。いやマジでいいシングルでした。これもめちゃ聴いた。ライブも良かった。アナザクリスマスはクリスマスまでおあずけだったんだぜ。正気かよ。リリースから何ヶ月経ったと思ってんだ。最高だったから許すが。
https://www.youtube.com/watch?v=12E8A43-pqk アナザクリスマス
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https://www.youtube.com/watch?v=_wJ5_P7wSSs こっちはアゴニィの響のドラミングするやつ
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ほんでさー。
クアトロツアーで先行販売したシングル「EMBRYO」がさー。
……Sと闇を喰むのアウフヘーベンでやんの。
そういうのズルって言うんですよ?俺を殺す気ですか?
テクが極まった結果無茶苦茶な量のテキストをリリックとして載っけても聴き苦しくならない奇跡のバランスで怒涛の生き苦しさ/息苦しさを流し込まれる体験、ありますか?無茶苦茶な事やってるのが素人にも分かる楽隊に呆然としてる暇もねえ。歌詞だけ見てると涙さえ出るすごい世界観なのにこれが歌い上げられてみるとお耳の通りが異様にいい。アカチャンが世界を吸収し始める時ってこういう感じなのかもしれない。
一方でまるっきりアルバム一枚を1曲に濃縮したみたいなコンパクト歌劇のEMBRYOをしっとり受け止める雫。しっとりと言いましたが雫単体では雫ってタイトルが完全に詐欺な土砂降り極大豪雨で面白いですね。どういうバランス取りしてんだよこの2曲。こっちはこっちで「そうは言ってもまあ生きますよ俺は」で大変に暗いケツイが漲っています。ほんでこれ……聴き違いじゃなければだけどTABOOを本歌取りしてる気がするんだよなあ……主にサウンドで……。この歌詞世界にそういう下敷きを敷いたとなると世界観クルックルしてどう解釈すればいいのよこれ。たぶん一生聴けるし一生聴いても分からんCD出しやがったなあという感想です。
これまでの経緯を考えるとこれの次のCDはこれを超えてきます。おそろしい。

摩天楼オペラの直近の今後

さっきMCで言ってたんですけど全国ツアーやるって!熊本とかも行くのすげえな!全国でウケて欲しい。絶対にあらゆる教室の隅に孤独に膝を抱え(概念)てるボーイズエンガールズいるから。届け。届かせて。
私は今後も随時私自身の狂いをお届けしてゆきます。お前も狂いにならないか。狂いはいいぞ。狂いがあるとようすのおかしい野郎の自撮りの冷凍刑達を並べてニヨニヨしたりできます。(こんな様子がおかしいのメンバーでも響だけなのでごあんしんください)

あけおめ!!

にゃーだよ!ことよろ!(挨拶が遅い)
今は湯葉ですドーモ。マイファーストネームオンザインターネッョ変えた経緯についてはどっかで書いたので繰り返しませんがともかく今は不連続の地平を渡った結果として湯葉なんだ。湯葉が好きってわけでもねーので謎の名前です。はてなアカウントは流石にあの頃(思えば遠くに来たもんだ)から引き摺ってて自己同一性から逃れられないのでこのままにゃーで通します。
久しぶりにこっちの編集画面に帰ってきたけど広くて気持ちいいわね。饒舌のMちんとして名を馳せてた(馳せてない)頃を思い出すわ。いやツイッタでもじゅうぶん以上に饒舌なんですけどこう「だらだらととりとめなく」ができるのはウェッブ日記のいいところ。
なんかこう一本記事書きたい気持ちがあるので書けたらまた見せに来るね。来なかったら察してください。チャオ!

わたてんミリしらでプレシャスフレンズ観たんですけど

湯葉 on Twitter: "わたてんプレフレ(長い)(わたシャスじゃ駄目?)良かったんだけど終わった時臨席の女性が静かにめっちゃ泣いててちょっといろんなものを飲み込んでしまった" / Twitter

んですよ。(臨席→隣席な)

なんかそれっきり出るものが出てくれなくて(うんこみたいに言うな)もやもやしてるので書き散らして出す。出ろ。

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別に満点だったとは全然思わんし、とっつきづらさはすごくある。お約束なのか?みたいな掛け合いが入ったり全員がお行儀よく順番に一言ずつ喋るみたいなシーンが多かったり無闇に整列したり。

けどまずそれをものともしない自意識の悶えが来る。おそらくみやこさんの喋りがとにかくいい。実際に唇半分縫いつけて喋ってんじゃねーかってゆー粘りとくぐもりのある発声(ただし全く不明瞭ではない)、があらゆるシーンで貫かれる。コメディパートにもシリアスシーンにも味を加え、キモさと聞き良さを両立できてる。何あれこわい。このアニメが人気なの分かった。

あと「目くばせ」が異様に親切。キャラの視線移動を見ればぜんぶの事情が飲み込めるように出来てる。この補助輪にも似た分かりやすさ、どうなのかと見る向きもいそうだけど、体感としてはただただ「親切な設計だな」だった。

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性愛に関して、あんまし性愛「以上」の腑分けをして来なかったかもしんないな、と思った。

友愛と言い切るには未体験な領域の感情が多すぎる。欲情とは絶対に言えないけど肉の体自体への指向は間違いなくあり、いろいろな角度でのフィジカルへのアプローチがある。案外単純じゃねえな、となってしまう局面は多かった。

互いの髪を「手ずからを込めて」繫ぎ留めあう関係。遥かな時を超え失われず「それ」を支え続けてきた一対の開花、気が遠くなる思いがする。なんだあれ。その存在自体が奇跡だろ。あんなに簡単に喪われかねないんだぞ、モノなんて。(見つかったけどね)(よかったね)

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あの人はどうして泣いていたんだろう、というのを、ぐるぐるぐるぐる考え始めてしまったのは、よかったのか悪かったのか。もうよく分かんないし。ひょっとしたら単に推しの幸せに泣くただのオタクだったのかもしんないし。ただなんか、何の涙だったにせよ、なんか救われたのかな、と感じちゃったんだよな。

それでこれ俺なんかが観ても良かったんだろうかみたいな風に戸惑ってたんだけど。まあ、いいんだろうな。意味が深かろうとそうでもなかろうと泣けたものは泣けたんだし。

結局まとまんないまま2日かかった、現時点で思った事はたぶん全部書けたので、放流する。わたてんプレフレ良かったっすよ。ひょっとしたら見て(楽しい以上に)幸せになれる人もいるかも。

母帰る

親が所用で一瞬だけ上京しに来たので出迎えと見送りをしてきた。

2年会ってない割にはカクシャクとしてたなー、髪は真っ白になっててそこだけビックリしたけど。ジジババの歳はもう抜いちゃったしいつお迎え来ても不思議じゃないけど、なんか元気な姿見ると、まだ全然先のような気がしてしまうな。気がしちゃマズいんだ。まあ色々と相変わらずみたいで安心はした。

……会うと絶対カロリーボム食らうんだよなあ。

さよなら幽霊ちゃん_01(sugar.)

激推し作家sugar.氏の初単行本が出たよ。

↑書影!かわいかろうが。

この物語は3人の幽霊部員と1人の幽霊が涙あり笑いありの高校生ライフを満喫するドラマで、サスペンスだ。いや嘘はついてねえ。たぶん。

 

まず絵をご覧。折角書影の出るAmazonのリンクを貼ったんだから穴が開くまでご覧。幽霊のゆうちゃん、ソリッドでミニマルなkawaiiを追求し続けてきたsugar.氏の現状での到達点と言えるめっかわゲロカワ鬼キュートキャラに仕上がっている事がこの1枚からも感じてもらえると思う。

このタイプじゃないkawaiiの引き出しも多いしそれは読んでいただければいっぱい浴びる事ができます。ワオワオって言っちゃうよ!マジで!

 

物語は主に(ここ20年で完全に確立されたと言ってもいい)(二次元版フルハウスないしやっぱり猫が好きとも言い換えられる)なんやカワイイ子らがわちゃわちゃ集ってしょーもない掛け合いを応酬するあのスタイルで進む。

元々テンポ早めの人だったんだけど本作では加速度が異常、ひとコマ内で4コマの起承転結ネタを圧縮コラージュしてオチがシームレスに次のコマに進む、みたいな有り様。忙しすぎて変な汁出てくる。と思いきや抜くトコではスッ……と抜いてきて慣性でブッ飛ばされる。笑いのジェットコースターって言葉があるけど、完全にアレです。

掛け合いのネタが「今日の天気」レベルに前提知識を要さない易しい笑いである事、オタク漫画ストリームの中では結構異常だと思う。ノリがすっごいだけでネタは万人向け。さてはこれオタク漫画じゃないな?(どうでしょう)(※ゲストの城田先輩のアレ除く)(あれは比較的ハイコンテクスト)

 

そんな日常が本当に楽しくて、これはそういう漫画なんだな……と思って気を楽に構えて読んでいると、死にます。もう一度言いますがこれはドラマで、サスペンスです。

どうやら(どうやらというのは現時点でいまだ見えていないものがいっぱいある)この物語には伏せるべくして伏せた幾ばくかの真実があり、彼らは薄氷の上で日々を踊っている。それはゆうちゃんの実存のように荒唐無稽なものかもしれないし(何しろ彼女はマジの幽霊)、あるいは誰の幼年期にも訪れたようなありふれた危機なのかもしれない。

彼らはやや内向的で抱え込みがちなちょっと難儀な高校生だし、どうにも生徒を扱いかねてる新任教師にもおっかなびっくり見守られてるし、きっと何が起こってもおかしくないんだと思うよ。「そういう空気をしっかりと漂わせている」。

目が離せないんです。謎とか考察とか、そういう話ではなく、シンプルに「心配だから」。

 

作者は「謎解き」を趣味としており、趣味が高じてライフワークに片足突っ込みつつあります。SCRAP社(社?)のプロダクツを遊び倒し過ぎて目をつけられPR漫画をしばしば描かされててあれは面白いです。いずれガッチリ企画から噛んだ製品出るんじゃないかなー。

……何で今こんな事書いたかって?

隠れてるんですよ。たまに。

単純に構成がうまいというのはあり、今回単行本化に際し読み直した感じだと「あっこれ前の話の」みたいな驚きもあります。配置や配色、間違いなく漫画として「クレバー」で「読みやすい」。んで、そういうのじゃないダイレクトなやつが。うん。

これ以上は書けないというかこの項は書いた時点でネタバレみたいなモンなんですけど(この本には叙述トリックがあるよ!と喧伝するようなモンなので)、それでも「これは本筋ではない」し「スルーされるともったいない」ので、書いた。まあ帯に謎って書いてあるくらいだし、いいだろ。きっと。

 

御託を並べましたが要はヤバいので読んで。これはね。間違いのねえ漫画です。

どうやら芳文社の公式ページは配送無料のサービスが複数選べる親切設計なので好きな会社を選ぼう。↓

houbunsha.co.jp

23日追記。謎解きの存在が解禁となった(解禁もクソもない)(神様は何も禁止なんかしてない)ので、以下twitterでの補足の転記。

単に謎を仕込んだだけ、ってわけでもないんです。読み込みと解釈でも到達しうる「裏面」に、謎を解く事でダイレクトに対面してしまう羽目になります。

いくらかの手作業を経て「体験」する行為によって用意された事実への没入感が高まり、単にそれを知っただけでは届き得ない感動を得てしまう。漫画を読むという行為の外から揺さぶられるわけです。脱出ゲーム系の謎解きジャンルの面白さってこれか!と驚くと共に、裏のメッセージが過剰に心に入ってくる。

たぶんこれ、その効果を誰よりも遊び倒して知ってる作者が、わざとやってるわけで、罠なんじゃねえかな……と今は私見しています。色々とここまでもこれからも「漫画的な仕掛け」を縦横に張り巡らせている、にも関わらず、いわば完全な裏技をも用いてくる。 このメッセージに飲まれるべきか否か。まだ考えてますよ。

それはそれとして、素晴らしい手腕。超親切な解答編が届けられる前に読み解けた人は幸いなり。

銀座琥珀屋雑貨店 神様と縁結び(佐々木 匙)

 

www.kadokawa.co.jp

https://www.amazon.co.jp/dp/4041116406/

 

さささんこと佐々木匙先生の10ヶ月ぶりの新作が刊行されました。昔さささんの本が書店に並んでるの見るのが夢だったんだよな。もう4冊目だぜベイビー。すごいよ。未来って今さ。

 

どうも非スニーカーの角川文庫内でキャラクター小説というジャンルメイクがされているらしいんですけど、前作と今作はその一翼を担っており。

今作、どうにも愛くるしい善男善女達が時には荒事に揉まれ時には厄災に抗いする姿と生き様をめっちゃニコニコしながら延々眺めていられる、おっそろしいクオリティのラブコメに仕上がっています。たぶんラブコメでいいと思う。コメ……うん。コメいよね。きっとコメ。

 

深く語ると美味しいトコをネタバレしちゃうので語りませんが、まあまあ年上なのに人里一年生みたいな振る舞いで弓子(主役な)と読者を振り回すなんかデカくて顔のいいおっさん店員がいちいちキュートだしそれに仕える店主(店主ですが仕えてます)が狐目で常に丁寧語の胡散臭さ極まるザ・細目キャラ(このあと更に属性が増えます)でそんなんなのにいちいち繊細に立ち回り話を締めつつも俺を悶え転がしてきます、女性陣もまあまあおきゃんに造形された弓子を完全に食っちゃう爆発娘あり厄を背負って湿り気と儚さそして辛辣さを繰り出す地獄少女ありでもう大変に忙しゅうございます、色々とね、こう、知ってる人は知ってる作者のヘキをぶわーっと浴びてたらこれただのヘキじゃないな!?と泡食うしなんだかわけがわからなくなるし、ラブわよ。

 

nyah.hatenadiary.com

今作、実は前作と直接の繋がりがあり知っているとより楽しめる……という側面あるんですけど、知らなくても全然だいじょうぶです。今作を知ると前作がより味わい深い、と言った方がたぶん正確。

 

以下ちょっとだけネタバレ含む吐き出し。

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